※本記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれます。
はじめにお読みください。本記事は在宅で医療機器を使う家庭の停電対策について、一般的な情報を整理したものです。機器ごとに条件が大きく異なるため、特定の電源が使えるかどうかの判断は、必ず主治医と医療機器メーカー(供給業者)に確認してください。本記事の内容は医療的な助言ではありません。
- 電源を買う前に消費電力・起動電力・内蔵バッテリー稼働時間の3つを確認する
- 起動電力は定常時の数倍になることがある。定格ラベルの数値だけで判断しない
- 自治体に給付・貸出制度がある場合がある。自費購入の前に問い合わせる
- 生命維持に関わる機器は、メーカーが動作保証する電源以外につながない
在宅酸素療法の濃縮器、人工呼吸器、吸引器、CPAP。こうした機器を使っている家庭にとって、停電は単なる不便ではありません。一方で「ポータブル電源を買えば安心」と単純化できる話でもありません。電源を買う前に確認すべきことが3つあり、そこを飛ばすと役に立たない買い物になります。順に整理します。

確認① 機器の消費電力と「起動電力」
まず手元の機器の消費電力を調べます。本体に貼られた定格ラベルか取扱説明書に、消費電力(W)または電流(A)が記載されています。数値は機種ごとに違うので、ここは実物を見るしかありません。
そしてもうひとつ、見落とされがちなのが起動電力です。モーターやコンプレッサーを持つ機器は、動き始めの瞬間だけ定常時の数倍の電力を必要とすることがあります。定格ラベルの消費電力だけを見てポータブル電源の出力を決めると、「定格内のはずなのに起動できない」という事態が起きます。起動電力については、機器メーカーや供給業者に直接確認してください。
確認② 内蔵バッテリーで何時間もつか
人工呼吸器など多くの機器には内蔵バッテリーがあり、停電しても一定時間は動きます。その時間が何時間なのかを把握しているかどうかが、備えの設計を左右します。
考え方はこうです。「想定する停電時間」から「内蔵バッテリーの稼働時間」を引いた残りが、外部電源で埋めるべき時間になります。台風による停電なら数時間から数日、地震なら数日以上を見込む必要があります。この差分を、外部バッテリーやポータブル電源で埋めていきます。
公的機関の資料でも、外部バッテリーを平常時から複数台用意しておくこと、バッテリーには寿命があるため定期的に交換することが推奨されています。1台に頼らず数を持つ、という考え方です。
確認③ 自治体の給付・貸出制度
これが最も見落とされている項目です。在宅人工呼吸器を使用している方に対して、自家発電装置や蓄電池を給付する事業を設けている自治体があります。東京都の在宅人工呼吸器使用難病患者向けの非常用電源設備整備事業や、江戸川区の自家発電装置等給付事業などが例です。
対象条件は自治体によって異なり、災害時個別支援計画を作成していることが要件になっている場合があります。まずはお住まいの保健所、または自治体の難病・障害福祉の担当窓口に問い合わせてください。自費で買う前に確認する価値があります。
あわせて、災害時に支援が必要な人を登録する避難行動要支援者名簿への登録状況も確認しておきます。登録しておくことで、災害時に自治体や地域の支援につながりやすくなります。
ポータブル電源を選ぶときの注意点
3つの確認を終えてから、初めて機種選びに入ります。医療機器用途では、通常の防災用途とは見るべきポイントが変わります。
- メーカーの動作保証を最優先する。生命維持に関わる機器は、メーカーが認めていない電源につながないこと。ここは価格や容量より先に立つ条件です
- 定格出力に余裕を持たせる。起動電力を吸収できるだけの幅が要ります
- 出力波形を確認する。精密な制御を行う機器では、正弦波出力が求められる場合があります
- 容量は「内蔵バッテリーで足りない時間」から逆算する。何Whあれば足りるかは機器の消費電力次第です
- 動作音を確認する。寝室で夜間に使うなら静音性が実用上の条件になります
容量と稼働時間の対応の基本的な考え方はポータブル電源の容量ガイド、予算帯ごとの選択肢は予算別の選び方にまとめています。ただし医療機器につなぐ前提での可否判断は、これらの記事ではなく主治医と機器メーカーに確認してください。
停電が起きる前にやっておくこと
- 機器の消費電力・起動電力・内蔵バッテリー稼働時間を紙に書き出し、機器のそばに貼っておく
- 主治医と、停電が長引いた場合に受け入れ可能な医療機関を相談しておく
- 自治体の給付・貸出制度と避難行動要支援者名簿を確認する
- 外部バッテリー・ポータブル電源を満充電で維持する(月1回の点検方法はこちら)
- 家族全員が電源の切り替え手順を実行できるようにしておく
1番目が特に重要です。停電の混乱のなかで説明書を探すことにならないよう、必要な数値は紙で見える場所に置いておきます。
まとめ
- 電源を買う前に消費電力・起動電力・内蔵バッテリー稼働時間の3つを確認する
- 起動電力は定常時の数倍になることがある。定格ラベルの数値だけで判断しない
- 自治体の給付・貸出制度がある場合がある。自費購入の前に保健所・自治体へ問い合わせる
- 外部バッテリーは複数台を平常時から用意し、定期的に交換する
- 生命維持に関わる機器は、メーカーが動作保証する電源以外につながない
停電時の暮らし全般の備えは防災用ポータブル電源の選び方ガイド、台風接近時の具体的な手順は台風接近前の停電準備チェックリストにまとめています。
本記事は一般的な情報の整理であり、医療的な助言ではありません。医療機器に接続する電源の可否、必要な仕様、停電時の対応手順については、必ず主治医・医療機器メーカー(供給業者)・自治体の指示に従ってください。制度の内容・対象条件は自治体により異なり、変更される場合があります。価格は執筆時点のものです。

