マンションの停電は断水とセットで来る|高層階の備えと電源でできること

マンションの停電対策アイキャッチ。給水ポンプが止まり3階以上は断水、エレベーターも使えない 選び方・ハウツー

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この記事の結論
  • マンションの停電は断水とセット。おおむね3階以上は水が出ない
  • エレベーターも止まる。2Lペットボトル1ケースは約12kg
  • 優先順位は電源より。1人1日3L、最低3日分
  • 給水ポンプ・エレベーターなど共用設備は個人の電源では動かせない

マンションの停電は、戸建ての停電と別物です。理由は単純で、水もエレベーターも電気で動いているから。多くのマンションは給水ポンプで各階に水を送っているため、停電するとおおむね3階以上は蛇口から水が出なくなります。トイレも流せません。しかもエレベーターが止まっているので、水を階段で運ぶことになります。ポータブル電源を用意していても、共用設備は個人の電源では動かせません。何が起きて、何ができて、何ができないのかを整理します。

マンションで停電したときに止まる共用設備の一覧。給水ポンプ停止で3階以上は断水しトイレも流せない、エレベーター停止、オートロックとインターホン、24時間換気の停止

停電で止まるのは「電気」だけではない

給水ポンプ:これがいちばん深刻

受水槽方式でも直結増圧方式でも、上階へ水を押し上げているのはポンプです。停電するとポンプが止まり、水圧だけで届く低層階を除いて水が出なくなります。どの階まで水が出るかは建物の給水方式によって違うので、自分のマンションがどうなのかは管理会社か管理組合に確認しておいてください。

断水が意味するのは飲み水だけの問題ではありません。トイレが流せなくなることのほうが生活への影響は大きく、復旧まで携帯トイレで凌ぐ必要が出てきます。

エレベーター:高層階ほど負担が跳ね上がる

停電時、エレベーターは停止します。非常用電源を備えた建物もありますが、全戸の日常利用をまかなうものではありません。乗車中に停電した場合は閉じ込められる可能性もあります。

問題は断水と組み合わさったときです。2Lのペットボトル6本入り1ケースで約12kg。これを階段で10階まで運ぶ作業を、断水が続く数日間くり返すことになります。高層階の住民ほど、備蓄を「事前に」持っておく意味が大きくなります。

オートロック・インターホン・機械式駐車場

停電時にオートロックがどう動くかは建物によって異なります。自動的に解錠される設計もあれば、そうでない場合もあります。インターホンは基本的に使えなくなり、宅配ボックスも停止します。機械式駐車場を使っている場合は、停電中は車を出せません。避難に車を使う想定なら、これは事前に確認しておくべき項目です。

24時間換気の停止

高気密のマンションでは24時間換気が前提の設計になっています。停電で換気が止まると、夏は室温が上がり、季節によっては結露やカビの懸念も出てきます。窓が開けられる状況なら開ける、難しければポータブル電源でサーキュレーターを回す、という対応になります。

水は「1人1日3L」で計算する

マンション住まいでいちばん優先度が高い備えは、ポータブル電源より先にです。農林水産省の家庭備蓄の考え方では、飲料用と調理用で1人1日3リットルが目安とされ、最低3日分(1人あたり9リットル)、望ましくは1週間分の備蓄が推奨されています。

世帯人数3日分1週間分
1人9L21L
2人18L42L
4人36L84L
1人1日3Lで計算。農林水産省の家庭備蓄の目安による。

4人家族で1週間分となると84L、2Lペットボトルで42本です。エレベーターが止まってから買いに行くのは現実的ではありません。事前に置いておくしかない、というのがマンションの結論です。あわせて携帯トイレも人数×日数分を用意しておきます。

ポータブル電源でできること・できないこと

期待値を正しく持つことが重要です。給水ポンプ・エレベーター・共用部の照明は共用設備なので、個人のポータブル電源では動かせません。ここは管理組合と電力会社の領域です。

逆に、専有部でできることははっきりしています。

  • 冷蔵庫を動かして食品を守る(停電時に冷蔵庫を動かす方法
  • 照明を確保する。マンションの内廊下や窓のない部屋は昼でも暗い
  • スマホを充電し、情報と連絡手段を保つ(停電時のスマホ充電
  • 夏はサーキュレーターや扇風機を回す。換気停止時の室温対策になる
  • 冬は電気毛布を使う。1,000Wh級なら約13時間が目安(実効容量80%換算)

どの容量を選ぶかは、上のうち何を何時間動かしたいかで決まります。予算帯ごとの選択肢は予算別の選び方、容量と稼働時間の対応は容量ガイドにまとめています。

マンション特有の条件として動作音も見ておくとよいです。壁の薄い集合住宅で夜間にファンが唸る機種は使いにくく、静音性が実用上の差になります。

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今のうちに管理会社へ確認しておく4項目

  1. 給水方式と、停電時に何階まで水が出るか
  2. 非常用電源の有無と、それが何をまかなうか(エレベーター1基のみ、共用灯のみ、など)
  3. 停電時のオートロックの挙動(自動解錠されるかどうか)
  4. 機械式駐車場の停電時の扱いと、手動での出庫可否

いずれも停電してからでは聞けません。管理組合の総会や掲示板で確認できることも多いので、平常時に済ませておいてください。

まとめ

  • マンションの停電は断水とセットで来る。給水ポンプが止まるため、おおむね3階以上は水が出ない
  • エレベーターも止まる。2Lペットボトル1ケースは約12kgを階段で運ぶことになる
  • 優先順位は電源より。1人1日3L、最低3日分、望ましくは1週間分。携帯トイレも忘れずに
  • ポータブル電源で共用設備は動かせない。専有部の冷蔵庫・照明・スマホ・送風が守備範囲
  • 給水方式・非常用電源・オートロックの挙動・駐車場を今のうちに管理会社へ確認する

備えの全体像は防災用ポータブル電源の選び方ガイド、台風接近時の手順は台風接近前の停電準備チェックリストにまとめています。

設備の仕様・停電時の挙動は建物によって異なります。必ず管理会社・管理組合にご確認ください。稼働時間は実効容量80%換算の目安です。価格は執筆時点のものです。

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