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- 同行避難=避難する行動、同伴避難=避難所での飼養状態(環境省の区分)
- 同伴避難は同室・別室・屋外に分かれ、可否は自治体次第
- 電源が最も活きるのは在宅避難
- ペットの停電リスクは主に温度。夏は送風、冬は保温
ペットを飼っている人が災害の備えを考えるとき、最初につまずくのが用語です。「同行避難」と「同伴避難」は違う意味の言葉で、ここを取り違えると「避難所に行けばペットと一緒に部屋で過ごせる」と思い込んでしまいます。実際にはそうとは限りません。本記事では環境省のガイドラインの区分を整理したうえで、電源が実際に効いてくるのはどの場面かを具体的に見ていきます。

「同行避難」と「同伴避難」は指しているものが違う
環境省の「人とペットの災害対策ガイドライン」では、次のように区別されています。
- 同行避難=ペットとともに安全な場所まで避難する行為(避難行動)。環境省が推奨しているのはこちらです
- 同伴避難=避難所でペットを飼養管理する状態。さらに同室飼養・別室飼養・屋外飼養に分類されます
つまり同行避難は「避難する時点の行動」、同伴避難は「避難所に着いたあとの状態」を指します。同行避難ができても、避難所で同じ部屋にいられるとは限りません。別室で預かる形になることも、屋外のケージで飼養することもあります。
受け入れの可否も方式も自治体・避難所によって異なります。自分の避難先がどの方式なのかは、平常時に自治体へ確認しておくしかありません。これが最初にやるべきことです。
電源がいちばん効くのは「在宅避難」
ここが本題です。避難所ではペットが別室や屋外になる可能性があり、電源も自由には使えません。一方で自宅の安全が確認できている場合の在宅避難なら、ペットのストレスは最小で済み、ポータブル電源が最も活きます。
ペットにとって停電が危険になるのは、多くの場合温度です。夏に空調が止まった室内は短時間で高温になり、特に短頭種の犬や、被毛の厚い猫、うさぎ、ハムスターなどは熱中症のリスクが高くなります。冬は逆に保温が要ります。
停電時にペットのために動かしたい機器
- 扇風機・サーキュレーター:夏の室温対策の主力。消費電力が小さく、ポータブル電源との相性がいい
- 電気毛布・ペットヒーター:冬の保温。1,000Wh級なら電気毛布で約13時間が目安(実効容量80%換算)
- 冷蔵庫:療法食や薬を冷蔵している場合は必須(停電時に冷蔵庫を動かす方法)
- 照明:暗闇はペットの不安につながります
- 水槽用のエアポンプ・ヒーター:魚や水生生物を飼っている場合は生死に直結します
アクアリウムを持っている家庭は特に注意が必要です。エアポンプは消費電力こそ小さいものの、止まる時間の長さがそのままリスクになります。長時間の連続運転が前提になるため、容量に余裕を持たせる判断が要ります。必要な容量の考え方は容量ガイド、予算帯ごとの選択肢は予算別の選び方にまとめています。
車中避難は「短期の一時避難」と割り切る
ペットがいると車中避難を選ぶ人は多いですが、夏場の車内は熱中症のリスクが非常に高く、長期の滞在には向きません。人のエコノミークラス症候群のリスクもあります。ポータブル電源で扇風機を回す、保冷剤を効かせるといった対策はできますが、それは短期をしのぐための手段と位置づけるべきです。
アイドリングでエアコンを使い続ける方法は、燃料の消費に加えて一酸化炭素中毒のリスクがあります。特に降雪時や、マフラーが塞がれる可能性のある状況では避けてください。
平常時にやっておくこと
- 自治体に避難所のペット受け入れ方式を確認する。同室か、別室か、屋外か、そもそも受け入れているか
- ケージ・キャリーに慣れさせる。避難所では原則ケージ飼養になります。当日いきなり入れようとしても入りません
- ペット用の備蓄を用意する。フード・水・薬・トイレ用品を最低3日分、できれば1週間分
- 迷子対策をしておく。マイクロチップの登録情報の更新、首輪と迷子札
- ポータブル電源を満充電で維持する(月1回の点検方法はこちら)
2番目のケージ慣らしは、実際の避難時にいちばん効いてくる準備です。普段からケージを部屋に置いて、そこで休む習慣をつけておくと、避難所でのストレスが大きく変わります。

- 1,070Wh・定格出力1,500W・10.8kg
- 電気毛布 約13時間/車載冷蔵庫 約17時間
- ドライヤーは弱運転なら使用可
まとめ
- 同行避難=避難する行動、同伴避難=避難所での飼養状態。同伴避難は同室・別室・屋外に分かれ、可否は自治体次第
- ポータブル電源が最も活きるのは在宅避難。避難所では自由に使えないことが多い
- ペットにとっての停電リスクは主に温度。夏は送風、冬は保温を電源で確保する
- 水槽のエアポンプ・ヒーターは長時間の連続運転が前提。容量に余裕を持たせる
- 車中避難は短期の一時避難と割り切る。夏の車内は危険
- 平常時にやるのは避難所方式の確認・ケージ慣らし・備蓄・迷子対策・電源の維持
備えの全体像は防災用ポータブル電源の選び方ガイド、マンション住まいの場合の注意点はマンションの停電対策もあわせてどうぞ。
用語の定義は環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」に基づきます。避難所の受け入れ可否・飼養方式は自治体により異なり、変更される場合があります。必ずお住まいの自治体にご確認ください。稼働時間は実効容量80%換算の目安です。価格は執筆時点のものです。
